朝から夜まで英語漬け!
親子留学企画前編に続く今回。夏休みを利用したセブ親子留学から帰国して、2カ月が経った。小学校でも英語の授業が週1であるので、「どう? 留学前よりも英語がわかるようになった? 」と聞いてみた。息子はコクリとうなずき、「外国人の先生なのに、日本語もたくさん話すからつまんない」と不満げな様子。留学のおかげでいわゆる”英語耳”が育ったのかもしれない。
親子留学というと、ハードルが高いように思う読者もいるかもしれない。しかし、私たち親子が留学前に準備したことは特にない。著者は普段通り、仕事で簡単な英語のやり取りやオンライン英会話を、息子は塾で中学生レベルの英語を勉強する程度。海外旅行の要領でパッキングし、電子辞書と英語のノート、筆記用具を一緒に詰め込んだだけだ。「何とかなるさぁ~」と気軽に留学先に行ったのだが、留学初日から親子でパニック状態になるほどの”英語シャワー”を受けることになる。
私たち親子が留学先として選んだ「SMEAG」にはスパルタ・クラシック・キャピタルの3つのキャンパスがある。一番厳しいのがネーミングからもわかるようにスパルタキャンパスで、月曜~木曜は外出禁止、6時40分~21時35分まで終日びっしりレッスンという驚きのプログラムだ。キャンパス内にはテレビやソファが設置されたTVラウンジもあるので、疲れた子供たちは、親がレッスン中でも一人で休憩することができる。
短期間で最大限に英語を勉強したかった筆者は、思い切ってスパルタキャンパスに滞在することに。「たとえ厳しくても1週間くらいなら何とかやれるかも。せっかく留学するのだから、どこまでやれるか挑戦してみよう! 」――気分はまるで受験生だ。ちなみにクラシックやキャピタルでは8時40分~18時頃までの標準的なカリキュラムもあり、平日の外出も可能だ。
意外に強かった子供、意外に弱かった大人
息子には「無理はしなくていいよ。いつでも休んでいいからね」と初日から伝えていたが、意外にも朝から晩まで大人並みにきちんとレッスンを受けていた。同校のジュニアキャンプでは、子供でも1日9時間の勉強なのだという。すごい! もちろん「疲れた~」とは何度も言っていたが、電子辞書を調べる手は止まらなかったようだ。どんどん吸収していく様子はスポンジのよう。うらやましい~!
1日が終わって宿泊施設に戻ると、親は精根尽きて、無言でバッタリとベッドに倒れ込んだのに対し、子供は「やった~! いっぱいやっちゃった~! 」とガッツポーズしながらベッドの上で何度もジャンプしているのであった。チャレンジする楽しさを純粋にかみしめているのは、むしろ子供の方だった。もともと英語が全く話せないというわけではないからだろうか、英語に対する拒絶反応のようなものは見られなかった。
しかし最終日ともなると、さすがに疲れがたまってきたのか、TVラウンジで英語版DVDを見ていた時もあった。だがそこでさえ、子供好きな韓国人青年と英語を話しながら見ていたようで、「I got a Korean friend! 」と喜んでいた。日本にいる時は、いつも家で甘えん坊モードの息子を見ていただけに、意外にたくましい息子を発見してちょっと驚いた。
長年、英語にどっぷりと浸った生活を送ってみたいと思ってきた筆者。「でも子育てしているうちは、きっと無理なんだろうな……」と半ばあきらめていたワーキングマザーが、留学初日から気がついたら約12時間もぶっ通しで英語を話し続けていた。
「長年の夢がこんなにあっけなく叶えられただなんて!」。
留学初日の最終レッスンがもうすぐ終わろうとする21時半頃、筆者の目からは不思議と涙が。そして次の瞬間、そんな自分に思わず大笑いしてしまった。泣いたり、笑ったり、不思議な日本人だなぁ~、とフィリピン人先生はさぞかし不思議がったことだろう。
留学中、疲れたのは頭脳よりも、むしろ喉。ずっと英語で話し続けているので声がガラガラだった。そして、いよいよ英語で卒業スピーチへ。後編へと続く。